埋葬以外の供養

手元供養

手元供養(てもとくよう)とは、墓地への納骨の代わりに(あるいは納骨を行った上でさらに)遺骨(遺灰)の一部を自宅などで保管し、慰霊の場を身近に置いて故人を偲ぶというものです。自分らしい(または故人らしい)供養をという想いに応える従来の形式にとらわれない偲びと癒しのあり方として、新しい供養のジャンルとなってきています。
遺骨をごく少量納めることのできるスペースを持った「カロート」と呼ばれるペンダント、数珠型ブレスレット、指輪などに遺骨を納めて常に身に着けるスタイルや、小さな骨壺を用意してご自宅で祀るなどの形があります。遺骨そのものを人工ダイヤモンドに加工するという特殊な技法も存在します。
ほとんどのケースでは墓地への納骨を行った上で、一部の遺骨を手元に残しておくという形が選択されていますので、納骨の予定日までに、手元供養を行うかどうか決めておくことが求められます。

手元供養
分骨

分骨とは、一般的には遺骨の一部と分けて、別のお墓に納骨することをいいます。元来は、遺骨を自家の墓地に埋葬すると同時に菩提寺(檀那寺)の本山へ一部納骨することを指していました。現在では供養の形が多様化してきており、「一部分を海に散骨する」「納骨せずに手元に置いておく」なども意味しています。
分骨するという方針がすでに決まっている場合は、火葬場で最初から二つに分けることが可能です。自治体によっては「分骨証明書」の申請と発行が必要になるので、火葬場の職員や葬儀社に、事前に分骨の意思を伝えましょう。すでに埋葬されたお墓から分ける場合には、霊園の管理者に「分骨証明書」を発行してもらい、二つの骨壷に分けます。
身内の遺骨を兄弟姉妹、家族などそれぞれのお墓に納骨したい、という意向をお持ちの方がいらっしゃいます。しかし、お骨を分けて納骨するということに関してはさまざまな見解や思いが生じるケースが多々あります。手続き上の問題よりも感情的なトラブルが起きたりしないよう、当事者間で事前に納得のいくお話し合いをすることが大切になります。

分骨
樹木葬

樹木葬は墓石ではなく、樹木を墓標として遺骨を埋葬することで、日本では1999年に初めて登場した供養の形です。墓石を使用しない点から、海に散骨する「海洋葬」とともに、「自然葬」とも呼ばれています。
一口に樹木葬と言っても、個別に墓標となる木を植える、1本のシンボルツリーの下に多くの方と合同で眠るなど、さまざまなタイプがあります。また、「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」により、認可を受けた場所以外での遺骨の埋葬は認められていないので、樹木葬墓地として認可を受けている場所のみ樹木葬が可能となっています。
なお、一度樹木葬で納骨すると、改葬(お墓の場所を変えること)はほぼ不可能です。そのため、墓地の場所や管理者については、事前に入念な調査を行うことが重要です。

樹木葬
散骨(海洋葬)

海に粉末化した遺骨をまく、「自然葬」のひとつです。場所を問わず誰でもできるというものではなく、「遺骨は粉末化する」「海岸ではなく沖合で行う」「海水浴場や漁場、養殖場などの商業地域を避ける」など、守るべきルールがたくさんあります。一部の自治体では、散骨を禁止する条例を設けていることもあります。
これらにすべて配慮して個人で散骨を行うのは難しいので、業者に依頼するのが一般的です。出航の場所や時期、同行するか代行業者にすべて委託するのかなど、さまざまな選択肢があるので、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
また、散骨では墓標、つまりお墓参りをする場所がまったく存在しないことになりますので、遺された家族の気持ちにも配慮して、慎重に判断して行う必要があります。

散骨(海洋葬)